年功序列システムとは、人間本来のバラエティある動機群を眠らせ、無個性で単純な歯車にしてしまうことなのだ。これは、自分の乗ったレールに見切りをつけ、新天地に移ったはずの転職者にも当てはまる問題だ。たとえば、企業人事のなかだけで囁かれる言葉に、「転職によって成功する人は一割程度」というものがある。つまりそれだけ、(転職には成功したとしても)後悔する人間が多いということだ。これにはいろいろな理由がある。募集広告や紹介会社の言葉に安易にのっかってしまったケースや、目先の給料アップに釣られてしまったケースなどだ。
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なかには“なんとなく”気分的に転職してしまう人もいる。だが最大の理由は、彼ら自身が「自分の動機」に気づく前に、安易にレールを降りてしまった点にある。たとえば、明確に「自分は〜をやりたい」という動機のある人間なら、転職は個人と募集企業の双方にとってハッピーな結果に終わる可能性が高い。だが、転職の理由が「社風が古い」「もっと面白い仕事がしたい」程度の漠然としたものなら、それは転職によって解決する可能性はむしろ低いだろう。